残酷ハニー



母親らしき人は涙でぐちゃぐちゃの顔で懸命に訴えてきた。




「この子はね!


1年前に殺されたの!連続殺人犯に!!



犯人はね、捕まらずに自殺してね。

この子の行方だけ分からなかったのよ!!



それなのにあなたは会ったと言うの?!」





………えっ…

連続殺人犯に?



大体にしてそれは1年前。





「…じゃあ僕が会ったあの子は……」


「見間違いなんじゃないの?!


この子に何てことを…」
「違う!僕は本当に会ったんだ!


突然現れて突然消えて……」



僕はハッとした。



じゃあ、あの時冷たい瞳をしたのも。










……きっと君はもう死んでいたから、だ。







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