残酷ハニー
しかしその声は、今から死のうとする僕に向かって言った。
「じゃあ死ねば?」と。
「………はい?」
「死ねばって言ってんの?
死にたいんでしょ?
ほら、飛び降りてみな?」
そう言った声の主がその時、ちょうど見えた。
いや、見えたっていうかいた。
髪も服も肌も、
消えそうなくらい白い女の子が。
「…っ……」
「ほら、死んでみな」
「……………」
「…何だ、死なないの?」
「つまんない」と言わんばかりに、少女は無表情で僕を見てきた。
…氷のように冷たい瞳で。