マイワールド
「ネーヤアってさ、恵子のこと嫌い?」

レミは壁によりかかりながら言った。

「別に普通……。」

「じゃぁさ、
恵子達とも仲良くしていいけど、ウチらの味方でいてくれない?」

「スパイみたいじゃん……。」

「そんな大げさなことじゃないから。」

「わかった……。」

何だかややこしいことになってしまった。

私は今日から、恵子派でもレミ派でもない。

クラスから浮くのだろうか。


後悔した。

かっこつけて割り込んで、
強くなれなくて、
言いなりになる。

これでは、のちにいじめの対象になってしまう。

けれど、今更どうすることもできない。


キーンコーンカーンコーン――。

いつものようにチャイムが鳴った。

私達はトイレから教室まで、全速力で走った。
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