マイワールド
私はケータイを閉じて、考えてみた。

今この時、世界はどのように動いているのだろうか、と。


私は今、何もしていない。

ただ、自分の部屋でケータイを握りしめているだけだ。

苦労も何もしていない。

でも、ウーパーはどうだろうか。

きっと、新しい映画のために、必死になっているに違いない。

人だけではない。捨てられたペット、明日が死の食肉用の動物、スポーツのために撃ち殺される野性動物、住家を無くした動物――。

私のように、ゆっくりなんてしていない。

今すぐにでも、この暇人の私が、
世界を変えなくてはいけない気がした。

『焦ってはいけない』と言われるけれど、
今何もできなかったら、今困っている動物は救えない。


そう考えると、涙が溢れてきた。


何とかしなくてはならない。

けれど、何をしたらいいのかわからない。


急に居場所がなくなったような気がして、
動けなくなってしまった。
「助けて……。」

その後のことは、何も覚えていない。
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