マイワールド
「ま、こういうこともあるって言っておきたかっただけ。

おまえ、忙しいだろ?

俺が返事しといてやるよ。

普段一緒にいるから、大体おまえの気持ちとかわかってるし。」

裕也は私からケータイを取った。

「いいよ。

機械音痴には任せられない。」

私は手を顔の前で振った。

「克服したから、安心しろよ!」

「でも、お金とかかかっちゃうでしょ……?」

「パソコンからやればいいじゃんか。」

「時間は……?」

「暇人だから大丈夫だよ!」

「そんなこと言ったら、私だって暇人だよ。

裕也は部活もあるでしょ?」

「部活があるのはおまえも一緒だろ?

いいじゃんか!

こないだ試合見に来てくれたお礼だよ!」

「そんな……。

私はお礼に試合見に行ったんだよ?

そんなことされたら、またお礼しなきゃいけないじゃん。」

「気にすんな、そんなこと!

お礼はしなくていいから!

やらせてくれ!

おまえの役に立ちたい!」

「……。」

『おまえの役に立ちたい』なんて少し臭い気もするが、
ここまで言われてしまったら、もうどうしようもない。

「ありがとう……。」

照れ臭くて、ハッキリ言えなかった。
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