マイワールド
「彩音、ちょっと。」
休み時間、はるにトイレへ連れていかれた。
もちろん、
そこにはレミとゆりがいた。
「ネーヤアさ、
移動教室、独りだったじゃん。
どうしたの?」
レミがクールに言った。
「よくわかんないんだよね。
なんか、急に嫌われちゃったみたいで。」
私は首を傾げながら答えた。
「ちょうどいいじゃん。
彩音、ウチらんとこおいでよ。」
ゆりがポケットに手を突っ込みながら言った。
「え……?」
私は声にならない声で聞き返した。
「ネーヤアだって、
嫌われてる人と絡みたいとは思わないでしょ?」
レミは相変わらずクールだ。
「まぁ……。」
「ウチらは、ネーヤアのこと嫌ったりしないから。」
「ありがと……。」
「だから、今度はスパイとかじゃなくて、
普通の友達として仲良くしよっ!」
「……がとう……。」
「んじゃ、そういうことでっ!」
そう言ってもらえるのはありがたいが、
何かがありそうで怖い。
私達は教室に戻った。
恵子達は、相変わらず男子と騒いでいる。
だが、そこに裕也と明はいなかった。