マイワールド
「あ!」

私はふと思い出した。

今日は家には誰もいない。

クリの餌の時間は十二時。

ふと時計を見ると、一時を回っていた。

クリが餌箱の前で寂しそうに座っている姿が頭に浮かぶ。

「ごめんなさい!

今から大事な用があるのを忘れてました!

今日は帰ってもいいですか?」

私は立ち上がった。

「あ、本当に?

わざわざ時間使わせてもらってごめんね。

じゃぁ今月中に作文送ってね。

途中でもいいから。」

彼は座ったまま言った。

私と一緒に部屋を出る気はないらしい。

「ではさようなら。」

私は頭を下げて、部屋を出ようとした。

すると、彼が私を呼び止めた。

「あ!

ご両親にもこのこと、伝えといてね。

僕からもしっかり連絡入れておくから。

それから、僕のことはこれから、ウーパーって呼んでくれ。」

彼は手をパーにして笑った。

私も笑った。


そして、小走りで家に帰った。
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