マイワールド


「このクラスでいられる時間が、残り少なくなってきたね。」

学活の時間、担任は熱く語った。

「このクラスになったのは、
確かに偶然だよ。

コンピューターが勝手に成績を基準に分けただけ。

だから、そりゃクラスの中に気に入らない人がいるかもしれない。

だけど、『つまらないから』を理由につまらなく過ごしてたらさ、
時間もったいないと思わない? 

中二でいられるのは今しかないの。

別の言い方をすれば、今はあなた達の人生の一部なの。

そう考えると、あなた達が今ここにいるってすごいことだと思わない? 

あなた達は、学校に来てるだけで、人の人生に関わってるんだよ。

黙ってたって、騒いでたって、他人になんらかの影響を与えてるの。

だから、人を傷つけるのだけはやめてほしい。

傷つけられた相手は、一生そのことは忘れない。

大げさなことを言えば、その人は一生、それを背負っていく。

だからって、控えめになれって言ってるんじゃない。

迷ったら、傷つけるんじゃなくて、誰かに相談しなさい。

具体的に言ったら、先生だっていい。

このクラスは戦場じゃないのよ。」

担任は、私達のことを知っているようだ。

「私からはそれだけだよ。」

先生は明らかに私の目だけを見て言っていた。
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