マイワールド
夕方五時。
ガチャ――。
誰かが帰って来た。
意識が朦朧としている。
私の隣ではクリが寝ている。
どうやら一緒に寝てしまったようだ。
「ただいま。彩音いる?」
母だ。
「いるよ。おかえり。」
私は無理に体を起こし、立ち上がった。
かなり眠い。
昼寝は、夜に眠れなくなるからしたくなかったのだが、仕方がない。
台所で顔を洗って、母の所へ走って行った。
「どうしたの?
幸せそうな顔して。」
母は不思議そうに問い掛けた。
「明日から夏休みだね。」
私はニヤリと笑って、母の買ってきた晩御飯の材料を台所まで運んだ。
ウーパーが連絡してくれるだろうと思い、
自分から今日のことを話そうとは思わなかった。