マイワールド


目的の駅に到着した。


時間までまだ三十分もあったため、
駅ビルの本屋で時間を潰すことにした。

「おまえ、金持ってんの?」

「うん、まぁ。」

私は人差し指を口の前で立てた。

「うっわ、悪っ。」

実はそれだけ言って、漫画コーナーへ行ってしまった。


私は雑誌コーナーに行った。

探しものは、『週間ヘレンズ』だ。

買って、家族に自慢したい。


それはすぐに見つかった。

だが、最新号に私の記事は載っていなかった。

「はぁ……。」

肩を落として、漫画コーナーに向かった。

「行こっ!」

私は実の手を引いた。

「なんで?

まだ時間はあるぞ?」

「いいから!

立ち読みは良くないし!

第一、寄り道厳禁じゃん?

藤井先生に殴られる!」

「金持ってきてる方がヤバイだろ?」

「うるさい!」

長くしたスカートが揺れる。

それが足にまとわりつくようで、気持ちが悪かった。
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