マイワールド


「じゃぁ、昨日と同じ時間に呼びに来るね。」

短い昼食の時間が始まった。

「てか、実、どうしたの?」

私はずっと気になっていたことを尋ねた。

「何が?」

「え?

だから……なんか真面目じゃん。

今日。」

「悪い?」

「そうじゃなくて、
『なんで?』」

「聞くんだ、そういうこと。

まいいや、言うよ。

……。

俺、実はさ……獣医になりたいんだよな。

昔、飼ってた犬が死んだときからずっと。

俺流されやすいから、昨日はケンのテンションに合わせてたけど、
こっちが本心。

……あ! このこと誰にも言うなよ!

イメージダウンになるから!」

「『イメージ』って……。」

照れ臭そうに言う実を見ていたら、
私の顔が急に熱くなった。

「おまえももしかして、
獣医になりたいとか思ってたりする?」

「まだ決めてないよ……。」

「そうか……。」

何とも真面目な会話。


私はこういう会話が一番好きだ。
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