マイワールド


「彩音!

宿題やってるの?

もう十二時だよ!

パン焼いたから下りてきな!」

一階から母の優しい声が聞こえる。

けれど、返事をする気にはなれなかった。

二階にある自分の部屋でおとなしくしているのが精一杯だ。

「やっぱり無理だぁ。」

ベッドに、大の字に寝転んだ。


外に出てみないと何の答えも出ないが、
三十一日までにそんなことをする時間はない。


私は、すでに半分以上諦めていた。


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