マイワールド


次の日。


私は決心した。

もう複雑なことは考えない。

普通の相川彩音にもどろう。


早速、ウーパーにメールを打った。

『ごめんなさい。

貴方の映画に協力したいのは山々なのですが、
うまくできません。

取材はお断りします。

本当にごめんなさい。』

かなりきつい文章になっていることには気付かず、
送信した。

ウーパーがこのことを親に連絡しても、別にかまわない。


だが、まだ心にモヤモヤしたものが残っている。

「中学生の意見なんて参考にならないって!

ならないならない!

私が抜けたくらいでウーパーが困る訳がないじゃない!」

開き直りのため息を一度ついて、
パッチリと目を開けた。

「おはよう!

お母さん、
私、今日から楽しく生きるから。」

私は歯を見せて笑った。

「どうしたの?

なんか最近おかしくない?」

母は首を傾げた。

「いいからいいから!

新しい彩音を、
これからもよろしくお願いします!」

真顔になりそうな顔を無理矢理に吊り上げた。
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