マイワールド


「彩音ちゃん、大丈夫?」

教室に入ってから、何人かにそう聞かれた。

なんて穏やかなクラスなのだろう。

去年のような事件は絶対に起きない気がする。

「ありがとう。」

何気なくそう言えるのが、
穏やかなクラスの証拠だ。


そこに裕也や明がいたら最高に――。


二日ぶりに、クリ以外のことを考えられた。

この調子だと、本気で気を取り直せそうだ。

まるでクリが魔法をかけたように――。
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