マイワールド
「で、ここからが本題!」

野兎の顔が急に真剣になった。

「相川さん、
中栄監督のことどれだけ知ってる?」

「え……?」

「知ってる作品名、あげてみなよ。」

「……。

『生と死の解き方』とか『ダイアリー』とか……。」

明とカナッペから聞いただけの『ダイアリー』を入れてしまった。

「それだけ?」

「……。」

「呆れた。

調べもしなかったの?

そんな人が中栄未来に会ったなんて、許せない。

何度も言うようだけど、
あたしだって会ったことないんだよ。」

何だか悔しくなってきた。

私は私なりにウーパーに精一杯協力をした。

なぜ今になって、こんなことを言われなければならないのだろう。

「要するに、ひがんでるの?」

言ってしまった。

誰もが憧れる桜日野兎に、
こんなことを言ってしまった。

でも、もう戻れない。
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