マイワールド

翌日の早朝、私は、一人で例の公園まで出掛けた。

「裕也がくるわけないよね。」

公園に話し掛けた。

「別にあなたに話したっていいの。

だけどね、時には返事をくれる人に相談したっていいじゃない?」

今日の公園は、いつもより元気がなかった。


時間だけが過ぎていく。


けれど、小さな奇跡は起きた。

裕也が走ってきた。

近くの小学校の時計台を見ると、
もう五時半だった。

三十分間、気長に待ってよかった。

「裕也……」

あまりに小さな声だったため、
聞こえたか不安だったが、裕也は私に気付いてくれた。

「なんだ、またおまえ?」

裕也の表情はあの時と同じだった。

「『私』!」

私は笑顔で言った。

「ちょうどいいや!

俺、おまえに話あるんだけど。」

裕也はこの間と同じように、私の隣に座った。

ランニングを急に止めたせいか、息が少し乱れている。

「話って?」

私は聞いた。

「聞きたい?」

裕也は、今にもいたずらをしそうな顔で言ってきた。

「裕也からの話でしょ?

聞きたくない人がいると思う?」

心の中で、悪い話ではないことを願った。

「いないかも。」

裕也は、そこで一呼吸置いた。

そして、大きく息を吸った。
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