マイワールド

23

しばらく、私は体を動かさなかった。


自分が悪いなんて思っていない。

カナッペの悩みなど、
言ってくれなくてはわからないのだから。

逆切れされただけの話だ。


『ネーヤアと裕也は友達』――。

そのことについて考える前に、
大事なことを思い出した。

サッカーの試合だ。

午後から見に行く予定だったのだ。


私は喫茶店にある時計に目をやった。

二時だ。

「ヤバッ」


無意識に体が動いた。

ものすごい速さで立ち上がり、会計を済ませた。

なぜかカナッペの分も払うことになっていたが、
今、そんなことはどうでもいい。

何も考えずに店を出た。

目的地は亀泉中学校。

吹奏楽コンクールで金賞を取った学校だが、
そんなことを考えている暇もなかった。

バスに乗って、二十分後、到着した。
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