マイワールド
何だか騒がしい。

それは試合で盛り上がっている騒がしさではなかった。

まるでテロリストでも襲ってきたような、
異様な騒がしさだった。

「あ、相川さん。」

後ろから声を掛けられた。

振り向くと、そこにいたのは桜日野兎だった。


今日はどうかしている。

誰かが私をからかっているようだ。

「野兎!

なんでいるのよ?」

私は思わず大きな声を出した。

「シッ!

『野兎』とか言わないで。

有名人が田舎のサッカーの試合見に来てるなんて変でしょ?」

「……。」

「それより、
相川さんの大切な人が大怪我してるよ。」

「『大切な人』?」

私はハッとしてグランドまで飛んで行った。
< 315 / 432 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop