マイワールド


賑わう教室の隅にカナッペがいた。


私は目を合わせないようにして席に着いた。

「彩音ちゃん。

カナと何かあった?」

斜め前の席の子に聞かれた。

「いや……特に。

大丈夫。」

こう答えるしかない。


すると、カナッペが私の席に近づいてきた。

「ちょっといい?」

「……うん。」

私は吹奏楽の部室までついていった。

「今日の朝練の鍵当番、
ウチだから。」

カナッペは静かに言った。

「そう。」

私は苦笑いした。
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