マイワールド
でも、裕也がカナッペをフッたのは意外だった。

嬉しいような、悲しいような――。

「ウチら、『仲良し同盟』ね。」

カナッペがこんなことを言い出した。


最近、友情の証として『同盟』を結んでいる人が多いらしい。


カナッペはそういうことにはついていけているようだ。

「『仲良し同盟』?

ちょっとベタだよ。」

「じゃぁ、何?

『エリート同盟』?」

「自分で言うのは変でしょ?」

「じゃあ……」

話し合った末、『フレンドバンド』に決まった。

『同盟』ではないけれど、多分意味は同じだ。

「友達、『フレンド』として仲直りしたのがブラス『バンド』の部室だから
『フレンドバンド』ね。」

カナッペはそう言った。

理解するのに少し時間がかかったけれど、
悪くないと思う。
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