マイワールド
『九月二十四日(木)から一週間、
西側公園で“ライオンの爪”のロケ開始。
時間は早朝』
久しぶりに、ウーパーからメールが来た。
「中栄監督から?
すげぇけど、ずいぶん簡単なメールだな。」
明が、すっかり直った足をぶらぶらさせながら言った。
ここは体育倉庫。
私は『ケータイを持ってくる』という立派な校則違反をしている。
「要するに、
『九月二十四日から一週間、西側公園で早朝に“ライオンの爪”のロケをやるのでよかったら見に来てください。』
ってことだよな?」
裕也がうまく訳した。
「ケータイ音痴なの。
中栄監督って。」
私は開いたケータイを軽く振り回しながら言った。