マイワールド
「何だよ、そ……」

明の言葉が止まった。


私と裕也が首を傾げると、
明は口を開いた。

「『西側公園』ってさ、
おまえらカップルが誕生した場所じゃね?」


そのとおりだ。

去年の夏休み、あそこで裕也に告白された。

「どこで誰が告ったって俺はどうでもいいけどな。

別にあそこが『俺らの共有する場所』とかになってるわけじゃねぇし。

なぁ。」

裕也はのんきに言った。


私は小さく頷いた。

「じゃぁ、俺、そこに彼女連れてこようか?」

明が言った。

「どうぞご自由に。」

裕也がそう言うと、
体育倉庫は静まり返った。
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