マイワールド
今日もネイルは寝ていた。
大勢の客にキャーキャー騒がれている。
「ではでは、ネイルちゃんご飯の時間なのでね。
皆さん、迫力溢れるネイルちゃんの食いつき方、
どうぞご覧になってください。」
中栄はマニュアル通りにネイルの周りを盛り上げた。
――こんな檻の外から見る必要なんてねぇよ。
もうなんの気力もないネイルは誰も襲わねぇ。
本心とは真逆の笑顔を振り撒いた。
ネイルはおとなしく、
与えられた肉を口にした。
それだけで、客達は悲鳴をあげた。
「ではでは、ネイルちゃんのお食事タイムは終了でぇす。
満腹のネイルちゃんもオススメですよ?
ではでは、失礼いたしまぁす。」
中栄は、偽だけど完璧な笑顔で仕事をこなした。