マイワールド
「本当は中栄監督、
こんなこと聞きたいんじゃないのかもしれないね。」

いつもの時間にいつもの場所。

私は、裕也に相談した。


さすがに、中栄監督のニックネームは、
裕也には教えていない。

「まぁ、おまえの言いたいことは伝わってくるけど。

これを映画で……てのは難しいだろ。」

「だよね。大体、私のことなんてもう忘れてるかもしれないし……。

今更こんなの送ったって、迷惑なだけかも。」

「そんなことはどうだっていいよ。

つか、弱気になるな!

中栄監督が描きたいのって、
『愛情』とかそういうやつじゃないのか?」

「動物と人間の愛とか?」

「それそれ!」

「じゃぁ私が書くような内容じゃ……」

「動物が人一倍好きなおまえなら書けるだろ。

ほら、平等とかのことも触れながら、動物と人間の愛を……」

「それなら、作文より、直接中栄監督に話したほうが伝わると思う。」

「……」
< 43 / 432 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop