マイワールド
右の方から視線を感じた。
チラリと目をやると、裕也だった。
口パクで何かを言っている。
『お・ば・え・あ・あ・に・に・う・る・の』に見える。
私は首を傾げて、
『わからない』のジェスチャーをした。
「ネーヤア、そういうときは手紙廻すの。
ピンクのメモ帳に青のペンだよ。」
一つ前の席の恵子が後ろに振り返り、
息だけの声でコッソリと言ってきた。
「そんな、授業中だよ?」
私も息だけの声で返した。
「みんなやってるって。
ほら、あいつらも。」
恵子は前の席の女子達を指差した。
「わかった……。」
嫌々、筆箱からピンクのメモ帳と青い水性ペンを出し、手紙を書いた。
『何?』
それ以外に書くことはない。
「ネーヤア……。
ハートぐらいつけなきゃ……。
それからひらがなで書くの。」
どこまでもつっかかってくる。
「私、そういうキャラじゃないから……。」
「『私』じゃなくて、
『あたし』。
男にキャラも何もないの。
ハート描いて。」
「はい……。」
私は、鼻の下をピクッとさせた。
仕方なく、新しいメモ帳に、
ひらがなで書き直し、ハートを付けた。
チラリと目をやると、裕也だった。
口パクで何かを言っている。
『お・ば・え・あ・あ・に・に・う・る・の』に見える。
私は首を傾げて、
『わからない』のジェスチャーをした。
「ネーヤア、そういうときは手紙廻すの。
ピンクのメモ帳に青のペンだよ。」
一つ前の席の恵子が後ろに振り返り、
息だけの声でコッソリと言ってきた。
「そんな、授業中だよ?」
私も息だけの声で返した。
「みんなやってるって。
ほら、あいつらも。」
恵子は前の席の女子達を指差した。
「わかった……。」
嫌々、筆箱からピンクのメモ帳と青い水性ペンを出し、手紙を書いた。
『何?』
それ以外に書くことはない。
「ネーヤア……。
ハートぐらいつけなきゃ……。
それからひらがなで書くの。」
どこまでもつっかかってくる。
「私、そういうキャラじゃないから……。」
「『私』じゃなくて、
『あたし』。
男にキャラも何もないの。
ハート描いて。」
「はい……。」
私は、鼻の下をピクッとさせた。
仕方なく、新しいメモ帳に、
ひらがなで書き直し、ハートを付けた。