マイワールド
私は直ぐさま、
洋服ダンスに向かった。

デートではないとわかっていても、
少しオシャレをしたい。

よく考えてみれば、
裕也にまともな私服を見せたことはまだないのだ。

夏休み中、あの公園に通っていたときは、
いつもジャージかスウェットだった。

「今こそ、私のファッションセンスを見せ付けるべき!

今日はコレだ!」

黄色のワンピースを握り、
一人で盛り上がっていた。


だが、鏡に目をやると、
一気にテンションが下がってしまった。

派手すぎる。

まるで遊園地に行くようだ。

「あぁ!

もう!」

その後、いろいろな服を何度も試着して、
結局、ジーンズに、茶色いチェックのシャツにした。

「まいっか。

流行ものだから今年限りだし、
ラメ入ってるし、派手すぎないし、地味すぎないし……。

今日の予定に合った服ってやつでしょ!」

無理矢理自分を納得させた。
< 71 / 432 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop