マイワールド
「健ちゃん……。

そんなに言ったら、こいつ悩んじゃうだろ……?」

裕也はそう言った後、あわてて口を抑えた。

「『健ちゃん』?」

私は目を丸くした。

「バカ!

ユウくん!」

星川さんも、
言った後にあわてて口を抑えた。

「『健ちゃん』に『ユウくん』?

何?

二人ってどういう関係?」

私はものすごい早さでまばたきをした。

「い……いとこです!」

裕也が無理にピースをして言った。

「はぁ?」

私はひょうしぬけしてしまった。

「ごめん!

悪気はなかったんだ!」

星川さんが手をパチンと鳴らして合わせた。

「裕也!

何なの?

今のは演技だったってこと?

私の反応見て楽しんでたの?」

パァっと恥ずかしくなった。

「違うって!

説明するから落ち着けよ!」

裕也は私を無理矢理座らせた。

「で?」

私は顔をしかめた。

「だからね、僕達は、彩音ちゃんにどうしてもこの話をしたかったんだよ……。」

星川さんは私の顔を伺いながら言った。

「どこに嘘つく必要があるんですか!

『裕也のいとこから話がある』でいいじゃないですか!」

「いとこが猟師だなんて先に知ってたら、
彩音ちゃん、絶対来ないでしょ?」

「はぁ……。

て……
あの……
だから……
あぁ……。

はい!

……。」

私は苦笑いをした。
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