マイワールド

『プロフ作った!』

翌日、恵子から、ホームページアドレスの付いたメールが送られてきた。

クリックすると、
今流行りの『プロフ』が出てきた。

『名前、ケイコ

性別、乙女

年齢、じゅうさん

職業、中学生っ』

など、百以上もある項目すべてに答えていた。

メールアドレスや学校名まで公開し、
ついでに、顔写真まで載せている。

「怖っ……」

でも、これを『怖い』と感じているのは、
もしかしたら私だけかもしれない。


リンク集を見てみると、二十四件の登録があり、
その半分は同じクラスの人の『プロフ』だった。

女子七人、男子五人。

ちなみに、クラスの人数は、女子十六人、男子十七人だ。


次に、掲示板を見てみた。

『レミとかマジないべ!

キモス。』

『先週見たぁ?

あいつ、ネーヤアと裕也くんが一緒に帰ってんの睨み付けてた!』

『一言で言うと、ウザイ!』

私は言葉を失った。

前々からインターネットはよく使っていたが、
まさかこんなことが普通に書き込まれるなんて知らなかった。


それによく考えてみると、
ネット好きのレミがこの書き込みを見ていないはずはないのだ。

所々にある、『そういうのやめよう』という書き込みは、
レミのものかもしれない。

『始めたんだぁ。』

私は、それだけ送った。


すると、三十秒もしないうちに返事が返ってきた。

『ネーヤアもやらない?』

ズキン――。

『親に怒られるから……。

ごめんね。』

『バレないよぉ!』

『ケータイ料金かかっちゃうから。』

『パソコンからは?』

『パソコン壊れてるから……。

本当にごめん!』

やりたくない。

なるべく、トラブルになるようなことはしたくない。

『そぉ。直ったらやってね!』

珍しく諦めてくれた。
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