マイワールド
教室に入ると、
更にひどいことが起きていた。

「何これ……?」

レミの机にチョークの粉が振りかけてあった。

「昨日ね、あかりが部活帰りにやってくれたの。」

恵子は、私の耳元でささやくように言った。

「ちょっとヤバイんじゃない?

もう、いじめじゃん。」

私は恵子にヒソヒソと言った。

「大丈夫だよ。

レミにはレミの友達がいるじゃん。

まぁ、地味なやつらだけどぉ。

ウチらの方が絶対かわいいけどぉ。

ねぇぇ、あかり、ゆい!」

あかりもゆいも完全に乗っている。


すでに教室にはたくさんの人達が来ているが、
みんな、見て見ぬふりだ。

レミの友達も、ヒソヒソ何かを話しているが、
面と向かって私達に何かを言う勇気はないらしい。


こんなときは裕也に助けを求めたいが、
サッカー部は朝練でまだ来ていない。


キーンコーンカーンコーン――。

チャイムが鳴った。

レミも、先生も、サッカー部も、まだ来ない。


私は、席で祈った。

サッカー部、先生、レミの順番で来てくれるように、と。

いや、レミが欠席することが一番望ましい。
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