マイワールド

だが、願いは叶わなかった。

最初に入ってきたのは、レミだった。

「はっ？」

レミは自分の机を見て唖然としている。

「恵子！」

レミはその場で、怒鳴り声をあげた。

私は、心の中で『ごめんなさい』と叫んだ。


それにしても、思ったことをズバリと言えるレミの性格は、
もう才能と言っても過言ではないだろう。

「はっ？

ウチのこと疑ってるわけ？

証拠もないのに？」

恵子も負けずに言い返した。


と、最悪のタイミングで先生が入ってきた。

「ちょっ……。

何やってるの？」

教室がシーンとなった。

「学校に来たら、
机がこんなことになってたんです！

上履きだって、下駄箱の下に散らかってたんですよ。」

レミが恵子を睨んだ。

「だから、何でウチがやったってことになるわけ？」

恵子は自分の机を蹴飛ばした。

「二人とも、落ち着きなさい！」

先生は手を叩いた。

「一時間目の学活は、このことについてやりたいと思います。

ですので、今は読書をしていてください。

レミは、この机でやってて。」

先生は他の机を出した後、
一人でレミの机を掃除し始めた。


恵子は自分の机を戻した。

「ウザイねっ！」

恵子は振り返って、私に同意を求めた。

「……うん……」

作り笑いで答えた。


早く席替えがしたい。


と、複雑なタイミングでサッカー部が入ってきた。

「うっわ、何があったんですか？」

裕也が先生に聞いた。

「一時間目に全部説明します。

今は読書してください。」

先生は冷静だった。