チョコレート大作戦!
所変わって屋上。
現在は昼休み。
「『バカ』かぁ・・・。
ホント面白いなぁ、篠原真由ちゃん♪」
嬉しそうに話す優斗。
「結局、お前は本気なワケ?」
優斗に尋ねる耀介。
「もちろん。大好きっv」
優斗は語尾にハートを付けて、まぶしい顔で笑う。
その言動は、偽りのない、純粋なものだった。
「じゃあなんで、さっき無視したんだよ?」
呆れて耀介はまた尋ねる。
「『恋の駆け引き』っていうのかな?
『押し』と『引き』が大切なんだってさ。
だから~、さっきは『引き』。」
「成功するかな?」と楽しそうに笑う優斗。
「まぁ、確かにそうだけどよぉ、…初恋に、するもんじゃないだろ。
『駆け引き』なんて。」
耀介の口から出る『初恋』という言葉。
優斗にとって、女の人を好きになったのは、真由が初めてらしい。
「だからぁ、『初恋は実らない』なんて言われるんだよ。
初恋だけ、特別にしなければいいんだ。
僕はこの恋を失恋で終わらせる気はないからね。」
優斗は小さく手を握りしめて、空を仰いだ。