チョコレート大作戦!



「何っっかさ~、お前間違ってるよ。絶対。」


耀介は優斗の様子を見ていった。


「そうかぁ?」


「お前、天然だよな。」


「そうなのかな?」


「はぁ。」


耀介は深い溜息をついた。


「天下の『王子様』が何をやってるんだって…。」


「王子?誰?」


「お前。」


「そうなの!?

 …知らなかったなぁ。

 …え?王子?

 僕、別に皇族じゃないけどな…。」


「…。」


自分が何と学校で何と呼ばれていたのか知らなかった優斗。


しかも本物の「皇子」と勘違いしている。


天然としか言いようがない。


「俺、お前がわかんねぇや。」


「えー。親友だろ?」


優斗は少しだけ拗ねて言った。


「そりゃそうだけど…。

 何て言うかな…。

 お前は、自分の武器を生かすべきなんだよ。」


「武器?」


その『格好いい面構え』と、『優しさ』と、ちょっと『抜けてるところ』?


話した女をイチコロにする『笑顔』。


優斗には十分すぎる武器が備わっていたが、
全くそれを活用できていないように思えた耀介。


「だから、お前は、正当派でいくべき。」


「…十分、正当派だと思うけどなぁ。」


優斗は自分の真上の青い空を見上げた。

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