俺が欝?
確かに今までも欝病になりやすい要素を持っていると認識はしていたが、他人にここまではっきり指摘された事はなかった。
「そうですか・・・」と戸惑っていると、
被せるように言ってきた「ショックですか?」
「欝病はまず自分自身を認識することが、改善の第一歩ですよ。きっと過去から今までの栄光に浸って、現状を直視しないと始まりませんよ」
「今の状況を受け止めて、理解し、その上でどうすれば良くなるのかを一緒に考えましょう!」
妻の支えてくれる優しさとは違い、背中を押してくれる力強さのようなものを強く感じる言葉だった。
「焦らず時間をかけていきましょう。では、幼い頃からを顧みて自分の性格はどうでしょうか?」と尋ねて来た。
職人の父を持ち、口より前に手が出る家庭で育った俺は中学に至るまでは、父への反骨心の固まりだった。しかもその思いを腕力で抑えられて、表現できず、燻った歪んだ時間を過ごしていた。
その中で、腕力ではかなわない父に対して戦う武器として模索した結果たどり着いたものは<口>すなわち理論だった。
今思えば浅はかだと思うけど、幼いながらに精一杯理屈をこねまわし、父の腕力とは違う土壌で勝負することで、自由を手にして来た。
「そうですか・・・」と戸惑っていると、
被せるように言ってきた「ショックですか?」
「欝病はまず自分自身を認識することが、改善の第一歩ですよ。きっと過去から今までの栄光に浸って、現状を直視しないと始まりませんよ」
「今の状況を受け止めて、理解し、その上でどうすれば良くなるのかを一緒に考えましょう!」
妻の支えてくれる優しさとは違い、背中を押してくれる力強さのようなものを強く感じる言葉だった。
「焦らず時間をかけていきましょう。では、幼い頃からを顧みて自分の性格はどうでしょうか?」と尋ねて来た。
職人の父を持ち、口より前に手が出る家庭で育った俺は中学に至るまでは、父への反骨心の固まりだった。しかもその思いを腕力で抑えられて、表現できず、燻った歪んだ時間を過ごしていた。
その中で、腕力ではかなわない父に対して戦う武器として模索した結果たどり着いたものは<口>すなわち理論だった。
今思えば浅はかだと思うけど、幼いながらに精一杯理屈をこねまわし、父の腕力とは違う土壌で勝負することで、自由を手にして来た。