ショートショートの林
結婚もした、言い寄ってくるたくさんの女から一番美人な女と。

悩まないようにただ美人という基準で選んだ女だったので、あまり性格は良くなかった。

いつしか俺はこの妻に飽き、もっと若くて性格のいい女と付き合い始めた。

「あたしのことどう思ってるの?」

その女が聞いてきた。

「愛してるさ。」

俺は迷わず答えた。

「奥さんよりも?」

「もちろんだ。」

俺は迷わず答えた。

「じゃあ奥さんと別れてくれる・・・?」

「今は無理だ、国会の最中だからな。スキャンダルは悩みの種だ」

俺は迷わず答えた。

「でも、でもね・・・」

「何だ?言いたいことははっきり言え」







「あのね・・・・・・・・・できちゃったみたいなの・・・」

困惑した表情の彼女。それが俺がこの世で見た最後の映像だった。

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