ショートショートの林
誓約書

そう書いてあった

・一度買った運の変更はできない
・運に関する質問は受け付けない
・信用できる1人の人間以外に運屋のことを話さない

それらのことが細かく書いてあったが、大体の事を鈴木から聞いていた俺は一通り流し読みをして、まだ震えの残る手でサインをし、ハンコを押した

「ありがとうございます。それでは200万円分の運、売らせていただきます。」

金を払い契約書と誓約書のコピーをもらって俺は店を出た

やった!これで俺にもついに彼女ができる!

31年間彼女がいない俺に、ついに、ついに出会いが!

200万も払ったんだ!さぞかしかわいい女の子との出会いが待っているはずだ!!!

俺は小躍りしながら階段を駆け下り、裏路地から大通りに飛び出した
< 6 / 22 >

この作品をシェア

pagetop