身代わり姫
「正、解……?」


涙をいっぱい浮かべたレオノーラの目を、小さな目でじっと見つめながら、パメラは頷きました。


「王女はね、お前の話した通りの場所で、沼を見つけたそうだ。そこに咲く白い花もね」


え、あれは私の作り話のはずだったのに? レオノーラはぽかんとした顔でパメラの目をみつめ返しました。


「王女は満月の夜に沼に行ったらしいんだが、妖精はいない。次の満月の夜も。そろそろレイランにも戻らないといけなかった王女は、二回目の満月の夜に妖精がいないと解るや、家来に命じたのさ」


「何をですか?」


「花を全て残らず燃やし尽くすことを」


ええ!? とリュイが大きな声をあげました。


「何でそんな事をするのさ! そんな事したら二度と妖精は生まれない!」


「自分が会えないのなら、妖精なんていらないんだと。お前がもし仮に本当の場所を言っていても、きっと同じ事になっていた。
お前は嘘をついたけど、たくさんの妖精の命を守ったのさ」


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