身代わり姫
それから4日目の夕刻、グラディス王女の馬車は王宮の裏門からひっそりと戻られました。

それから半刻もしないうちに、王宮からお呼びだしがありました。
レオノーラは、私はパメラの弟子なのだからと言い、ついていく事にしました。


「レオノーラ、大丈夫なのかい?」


真っ青になりながらも、お迎えの馬車へ乗り込もうとするレオノーラに、パメラが声をかけました。


「……ええ。だって、やっぱり私にも責任があります。逃げる訳には行きません」


パメラはそっとレオノーラの震える背中を押して、一緒に馬車に乗り込みました。

水晶の中の精霊も、小さな声で

「オレがついてるからな!」

と言い、レオノーラが答えるかわりにぎゅうっと水晶を握り締め、それと同時に馬車は王宮へと向かって動き出しました。

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