身代わり姫
「王子、聞いて下さいませ! この娘は、私のグラディス王女を悪魔に呪わせて、成り代わったのですわ!」
我を取り戻したシエラが、平伏しながら言いました。
「グラディス王女は、悪魔の呪いでこちらにお輿入れ出来なくなってしまったのです!
この恐ろしい娘は、グラディス王女を呪っておきながら、のうのうと成り代わってこちらにやって来たのですわ」
「何言ってんだ! レオノーラを無理やり仕立て上げたのは、あの国王じゃないか!
それに、悪魔に呪われたのはおたくの王女さんの……」
「……リュイ! やめて!」
呆然としていたレオノーラが、一声叫んで精霊を止めました。
ナマタ王子の目を見ながら、震える声で、けれどもしっかりと言いました。
「ナマタ王子様。
私は、グラディス王女の名を名乗ってこの国に参りましたが、本当はただの町娘です。嘘をついて、申し訳ありません」
深々と頭を下げたレオノーラに、ナマタ王子の高らかな声がしました。
「はは。正体はこんなもんか!
おい、衛兵! ここにグラディス王女の名をかたる悪党がおるぞ、ひっとらえい! この乳母もだ!」
我を取り戻したシエラが、平伏しながら言いました。
「グラディス王女は、悪魔の呪いでこちらにお輿入れ出来なくなってしまったのです!
この恐ろしい娘は、グラディス王女を呪っておきながら、のうのうと成り代わってこちらにやって来たのですわ」
「何言ってんだ! レオノーラを無理やり仕立て上げたのは、あの国王じゃないか!
それに、悪魔に呪われたのはおたくの王女さんの……」
「……リュイ! やめて!」
呆然としていたレオノーラが、一声叫んで精霊を止めました。
ナマタ王子の目を見ながら、震える声で、けれどもしっかりと言いました。
「ナマタ王子様。
私は、グラディス王女の名を名乗ってこの国に参りましたが、本当はただの町娘です。嘘をついて、申し訳ありません」
深々と頭を下げたレオノーラに、ナマタ王子の高らかな声がしました。
「はは。正体はこんなもんか!
おい、衛兵! ここにグラディス王女の名をかたる悪党がおるぞ、ひっとらえい! この乳母もだ!」