身代わり姫
どれくらい眠っていたのでしょうか。


数人の足音で、レオノーラは目を覚ましました。


遠くから松明の明かりが見え、姿を表したのは、レオノーラを美しいと褒め称えた大臣の一人でした。いかめしい家来を３人連れています。


「ニセ王女様、ご機嫌はいかがかな？」


大臣はにやにやした顔で、松明の灯りに照らされたレオノーラを見ました。


「国中大騒ぎですよ。いやあ、困ったことをしてくれたものですなあ。国王様は今すぐにでもマチホ国に戦を仕掛けるとおっしゃっておりますぞ」


レオノーラは辛そうに眉をしかめて俯きました。大臣は、その様子を楽しそうに見ながら言います。


「さてさて。あなたには、辛い事を伝えに来たのですよ。
これから５日後、あなたは中央広場にて火あぶりの刑に処されることになりました。まあ、仕方ありませんねぇ。重大な罪を犯したのですからね」


くっくっくっ、と大臣は喉を鳴らして笑いました。


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表紙・目次

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