身代わり姫
「もしかしたらと思って見にきてよかったな。牢番にもっとキツく言っておかねば。
ああ、それと、お前のカエルが何かしてかしても困るからね、王国専属魔術使いに命じて、この地下牢には術を施したよ」


ナマタ王子は冷たい瞳を夜空の糸月のように細めて笑いました。


「カエルの魔物がいると言うと、標本にしたいと言っていたよ。お前を助けに来れば、あの生意気な魔物も捕まるんじゃないかな?」


「そんな……」


レオノーラは口に手をあてて、大きく息を吐きました。


「それでね、お前に聞きたいんだけれど、あの魔物は一体どうしたんだい?」


カシャン、と鉄格子に寄りかかるようにして、王子が聞きました。


「あのカエルは自分の事を精霊だって言ってたね。何でお前にくっついてるのかな? 本当に悪魔の娘で、下僕にしてるってわけかい?」


「リュイは……、私の友達です。下僕なんかじゃありません」


レオノーラは鉄格子越しに自分を見下ろしている王子に言いました。


「リュイ、ねぇ……。
ふぅん。じゃあ、どうやって友達になったんだい。教えてくれないかな?」

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