身代わり姫
朝日がのぼる頃、パメラの家の木戸がカチャリと開きました。


「じゃあ、オレ行くよ」


「慎重にな。失敗すればお前も死ぬからの」


パメラは、小さな袋をリュイに持たせながら言いました。
リュイはこくん、と頷くと、ふわりと浮き、パメラの頬に軽くキスして笑いました。


「絶対レオノーラを連れて帰ってくるからな!
キャンディ用意して待っててくれよ。もちろんレモン味!」


「あたしゃいちご味の方が好きなんだよ。
……さあ、気をつけて行っておいで」


パメラがしわの中の瞳を煌めかせて言いました。

「ああ、行ってくる!」


リュイは、パメラに見送られて飛び立ちました。



レオノーラを助ける為に。



「待ってろよ! レオノーラ!」




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