身代わり姫
「レオノーラ、助けに来たわっ」


身を縛っていたロープがはらりと解け、木から落ちそうになったレオノーラの両腕を掴む者たちがいました。


「え!? あなたたちは、妖精さん?」


見ると、何人もの妖精たちが、レオノーラの腕に抱きつくようにして体を支えていました。


「レオノーラ、久しぶりね。助けに来たわ」


「あなたはあの時の……!」


右腕を抱えていた妖精の顔を見てレオノーラは驚きました。


「リュイから話を聞いて、仲間たちとやってきたの。さ、このまま逃げるわよ!」


「リュイ、リュイは?」


「目隠し用の煙玉を、色んな所に投げてるわ」


さあ、行きましょう、と妖精達が高く舞い上がろうとした時でした。


「ああ、痛いっ!」


何かがレオノーラの足を引っ張りました。
くん、と妖精達の動きが止まります。


「何!? 何かが引っ張ってる」


レオノーラが足元を見ると、王子の紐が足に絡みついていました。レオノーラの足首をギリギリと締め上げます。


「い、痛い……」


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