身代わり姫
ゴォォ……、と空気を震わせるような低い音が響き、悪魔は何かに吸い込まれそうになっています。
『……ぬうう、あれか!』
悪魔の目が、自分を取り込もうとしている渦の先を見つけました。
小さな水晶。それを掲げたレオノーラを。
『……取り込まれる前に、殺してやるわ』
悪魔がレオノーラ目掛けて飛んで来ました。
「きゃああああっ!」
レオノーラは水晶を掲げたまま、悲鳴を上げました。
「レオノーラ!」
リュアネスが呪文を強く叫び、水晶の周りの渦のうねりが激しくなりました。
半分以上体が吸い込まれた悪魔が、レオノーラの顔を掴もうとし、その手が頬をかすめました。
『くそおぉぉおぉぉ……っ』
悪魔は聞いたこともないような恐ろしい悲鳴を上げながら、水晶に吸い込まれました。
水晶はレオノーラの手のひらから滑り、音を立てて広場のレンガに落ちました。
レオノーラはがくがくとする足を堪えきれずに、座り込みました。
レンガに張り付くようにしていた妖精たちもおずおずと顔を上げます。
『……ぬうう、あれか!』
悪魔の目が、自分を取り込もうとしている渦の先を見つけました。
小さな水晶。それを掲げたレオノーラを。
『……取り込まれる前に、殺してやるわ』
悪魔がレオノーラ目掛けて飛んで来ました。
「きゃああああっ!」
レオノーラは水晶を掲げたまま、悲鳴を上げました。
「レオノーラ!」
リュアネスが呪文を強く叫び、水晶の周りの渦のうねりが激しくなりました。
半分以上体が吸い込まれた悪魔が、レオノーラの顔を掴もうとし、その手が頬をかすめました。
『くそおぉぉおぉぉ……っ』
悪魔は聞いたこともないような恐ろしい悲鳴を上げながら、水晶に吸い込まれました。
水晶はレオノーラの手のひらから滑り、音を立てて広場のレンガに落ちました。
レオノーラはがくがくとする足を堪えきれずに、座り込みました。
レンガに張り付くようにしていた妖精たちもおずおずと顔を上げます。