身代わり姫
王子が悪魔にとりつかれていた、と気を失って戻ってきて、しかも行方不明だった魔術使いリュアネスが付き添って帰って来たことに、いつもは冷静なキシル国王も取り乱して出迎えました。
「こ、これは一体何があったのだ!? 王子はその娘の処刑に行ったはずであろう!」
国王は、リュアネスの後ろにそっと立つレオノーラを指差して言いました。
「国王、それはオレから説明する。とりあえず王子を寝所へ。オレたちには食事をさせてくれないかな? あ、レオノーラには着替えがいるか」
「え? 私は、別に……」
「こんなドレスじゃ、おいしく食事なんてできないよ」
リュアネスは、レオノーラのボロボロになったドレスの裾を摘んで言いました。
国王はその様子を苦々しく見て、溜め息をつきました。
「相変わらず口の聞き方がなっとらんな。
まあいい。離宮にまだその娘の荷物が残っておる。好きに着替えてから謁見室まで来い」
「ありがとう。さ、レオノーラ行こう」
さっさと歩き出したリュアネスに手を引かれたレオノーラは、国王に深々と頭を下げて、離宮に着替えに向かいました。
「こ、これは一体何があったのだ!? 王子はその娘の処刑に行ったはずであろう!」
国王は、リュアネスの後ろにそっと立つレオノーラを指差して言いました。
「国王、それはオレから説明する。とりあえず王子を寝所へ。オレたちには食事をさせてくれないかな? あ、レオノーラには着替えがいるか」
「え? 私は、別に……」
「こんなドレスじゃ、おいしく食事なんてできないよ」
リュアネスは、レオノーラのボロボロになったドレスの裾を摘んで言いました。
国王はその様子を苦々しく見て、溜め息をつきました。
「相変わらず口の聞き方がなっとらんな。
まあいい。離宮にまだその娘の荷物が残っておる。好きに着替えてから謁見室まで来い」
「ありがとう。さ、レオノーラ行こう」
さっさと歩き出したリュアネスに手を引かれたレオノーラは、国王に深々と頭を下げて、離宮に着替えに向かいました。