身代わり姫
離宮につくと、リュアネスは机の上の小箱からレモンキャンディを一つ摘んで食べました。
「んん。この甘さ、いいね」
「リュイ……じゃない、リュアネスは、普段でも甘いものが好きなの?」
レオノーラはくすくすと笑いながら言い、それを聞いたリュアネスは頬をキャンディで膨らませて笑いました。
「言いにくいだろ。リュイでいいよ。
ああ、甘いものは大好きさ。さあ、それよりも早く着替えておいで」
レオノーラは衣装部屋に行き、こざっぱりとしたおとなしめのドレスを身につけました。たらいに汲んであった水で顔を洗い、腕や足を拭いて一心地つきました。
ふう、まだ夢を見てるみたいだわ。
死ぬことを覚悟していたのに、みんなのおかげで、こうしてまた離宮にいるなんて……。
レオノーラは自分を助けてくれた、若い魔術使いの顔を思い出しました。
綺麗な黒髪に、グリーンの瞳。色黒の肌は艶々していて、形のよい唇はいつも不敵な笑みを浮かべているよう。
まさか、リュイが人間だったなんて。私、あの人をいつも胸元に入れていたんだわ。
レオノーラは急に恥ずかしくなって、顔が真っ赤になるのが分かりました。
ああ! 私ったら知らないとは言え、何てことをしてしまってたのかしら!
「んん。この甘さ、いいね」
「リュイ……じゃない、リュアネスは、普段でも甘いものが好きなの?」
レオノーラはくすくすと笑いながら言い、それを聞いたリュアネスは頬をキャンディで膨らませて笑いました。
「言いにくいだろ。リュイでいいよ。
ああ、甘いものは大好きさ。さあ、それよりも早く着替えておいで」
レオノーラは衣装部屋に行き、こざっぱりとしたおとなしめのドレスを身につけました。たらいに汲んであった水で顔を洗い、腕や足を拭いて一心地つきました。
ふう、まだ夢を見てるみたいだわ。
死ぬことを覚悟していたのに、みんなのおかげで、こうしてまた離宮にいるなんて……。
レオノーラは自分を助けてくれた、若い魔術使いの顔を思い出しました。
綺麗な黒髪に、グリーンの瞳。色黒の肌は艶々していて、形のよい唇はいつも不敵な笑みを浮かべているよう。
まさか、リュイが人間だったなんて。私、あの人をいつも胸元に入れていたんだわ。
レオノーラは急に恥ずかしくなって、顔が真っ赤になるのが分かりました。
ああ! 私ったら知らないとは言え、何てことをしてしまってたのかしら!