身代わり姫
ああ、どんな顔をして会えばいいのかしら、とレオノーラがうろたえていると、コンコンとノックの音がしました。


「レオノーラ、用意はすんだ?
もうオレお腹ぺこぺこだよ。キャンディじゃ何の足しにもなんないや!」


ドアの向こうから、リュアネスの情けない声がしました。


そ、そうよね。
リュイはやっぱりリュイなのよね。

見かけが変わっただけなのに、私ったら意識してしまって、可笑しいわよね。

レオノーラはそう自分に言い聞かせ、あんまりにも動揺している自分にくすりと笑いました。

それから、小さく深呼吸して、ドアを開けて言いました。


「おまたせ! さ、行きましょう」


お腹をさすりながら泣きそうな顔をしていたリュアネスが、にっこり笑いました。


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