身代わり姫
「では、マチホ国を許せというのか。理由はどうあれ、私は騙されたままではおれん!」


「それは国王の好きにしなよ。ただ、レオノーラの処刑は、無しだ。レオノーラは利用されただけだからな」


国王はリュアネスの影でおどおどしているレオノーラを見て、言いました。


「……ふむ。そなたのした事は許されん。
が、王子を救ったのであれば、我が国の大事な恩人でもある。わかった、処刑は取り消そう」


レオノーラの顔がぱっと明るくなり、テーブルに額がつくぐらいに頭を下げました。


「ありがとうございます! 本当に、すみませんでした」


「いいからレオノーラも早くお食べよ。で、国王はマチホ国に戦を仕掛けたいのか?」


「いや、私は別に戦がしたい訳ではない。今回の出兵準備も、ナマタが言い出したことだったしな。
ただ、マチホ国からは、正式に謝罪なりをしてもらわねばならん。騙されたままでは国家の威信に関わるし、何より腹に据えかねる」


ふん、と鼻息を荒くした国王に、リュアネスはレオノーラのお皿に色々な料理を盛ってあげながら言いました。


「ま、それは宰相や大臣と相談しなよ。オレはとりあえず必要な話はしたぜ」


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