身代わり姫
グラディス王女はずる、ずる、とドレスの裾を引きずって歩き出しました。
「グラディス!」
見ているのが耐えられなくなった国王が、手を貸して歩かせます。
グラディス王女は荒く息を吐く度に、蛇も吐きながら、ゆっくりと庭に出ました。
パメラが杖を振って、池の水を半分程減らして入り易くし、リュアネスはそれを見てふん、と言いました。
「みんな、お優しいねえ」
「そなただとて、それ位するつもりだったろう?」
グラディス王女が、とぷんと体を池に沈めました。池の縁で支えていた国王の手がずるっと滑り、王女の体が大きく傾いだ瞬間です。
「王女様! 大丈夫ですか!」
池に飛び込んだレオノーラが、その体を支えました。
『お前……』
「私も一緒に探します! ゆっくり立ち上がって下さいませ!」
レオノーラはグラディス王女の腕を肩に回して、なんとか立たせました。水面に見えている岩肌にそっと寄りかからせ、自分はざぶっと池に潜って、妖精の涙を探し始めました。
「あーあ。レオノーラまで入っちゃったよ」
リュアネスが情けない声を出しました。
「グラディス!」
見ているのが耐えられなくなった国王が、手を貸して歩かせます。
グラディス王女は荒く息を吐く度に、蛇も吐きながら、ゆっくりと庭に出ました。
パメラが杖を振って、池の水を半分程減らして入り易くし、リュアネスはそれを見てふん、と言いました。
「みんな、お優しいねえ」
「そなただとて、それ位するつもりだったろう?」
グラディス王女が、とぷんと体を池に沈めました。池の縁で支えていた国王の手がずるっと滑り、王女の体が大きく傾いだ瞬間です。
「王女様! 大丈夫ですか!」
池に飛び込んだレオノーラが、その体を支えました。
『お前……』
「私も一緒に探します! ゆっくり立ち上がって下さいませ!」
レオノーラはグラディス王女の腕を肩に回して、なんとか立たせました。水面に見えている岩肌にそっと寄りかからせ、自分はざぶっと池に潜って、妖精の涙を探し始めました。
「あーあ。レオノーラまで入っちゃったよ」
リュアネスが情けない声を出しました。