身代わり姫
レオノーラは慌てて言いました。

確かに怖いと思ったけれど、今こうして話すパメラは、普通のお婆さんのようです。
そりゃあ、近所のお婆さん達よりももっともっと威厳はあるけれど。


「あの、あの。私、知らない内にご無礼を働きませんでしたでしょうか?礼儀作法なんて習ったことがないので、心配だわ」


レオノーラはもじもじとして言いました。
その様子をパメラは細い瞼の隙間からじっと見つめていました。


ふむ。この子はなかなか素直な子のようだ。
両親の為にこうして馬車に乗ったのを見ると、心根も優しいのだろう。
妖精は清らかな娘じゃないと見えないというのも、まんざら嘘ではないようだ。


「心配せずともよい。お前は仕草は荒いし、てんで上品じゃあないが、そりゃあ今までの生活には不必要だったろうからね。
これからあたしが一から仕込んでやろうよ」


「え? パメラ様が?」


レオノーラはぱたぱたと目をしばたいて聞き返しました。

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