身代わり姫
領主は馴れ馴れしくレオノーラの肩を抱こうとしましたが、触れようとした瞬間、ぱちんと弾かれました。
レオノーラの首もとに下げられた、小さな水晶のネックレスから、不機嫌な声がします。
「学習能力のないおっさんだなあ。レオノーラに軽々しく触るんじゃないって」
水晶からぽわん、と姿を現したのは、子猫くらいの大きさのカエルでした。
どこの国のものなのか、不思議な洋服を着て、頭には布を巻いています。ぷかりと浮きながら、腰に手をあてて背を逸らしたカエルは、鼻息荒く領主に文句を言いました。
「いいか? 次にレオノーラに触れようとしてみろ。竜神を呼んでお前に雷を落としてやるからな!」
領主は弾かれた手をさすりながら、ちっと舌打ちしました。
「ちょっと案内して差し上げようとしただけだろう。レオノーラ殿、この精霊に言ってやって下さらんか」
レオノーラは困ったように小さく笑みを浮かべて頭を下げました。
唇がゆっくりと、ごめんなさいと言っているように動きます。
レオノーラの首もとに下げられた、小さな水晶のネックレスから、不機嫌な声がします。
「学習能力のないおっさんだなあ。レオノーラに軽々しく触るんじゃないって」
水晶からぽわん、と姿を現したのは、子猫くらいの大きさのカエルでした。
どこの国のものなのか、不思議な洋服を着て、頭には布を巻いています。ぷかりと浮きながら、腰に手をあてて背を逸らしたカエルは、鼻息荒く領主に文句を言いました。
「いいか? 次にレオノーラに触れようとしてみろ。竜神を呼んでお前に雷を落としてやるからな!」
領主は弾かれた手をさすりながら、ちっと舌打ちしました。
「ちょっと案内して差し上げようとしただけだろう。レオノーラ殿、この精霊に言ってやって下さらんか」
レオノーラは困ったように小さく笑みを浮かべて頭を下げました。
唇がゆっくりと、ごめんなさいと言っているように動きます。